平常心

アジア勢初の世界ランキング1位。大坂なおみ選手、本当に素晴しい活躍です。

全豪オープン決勝では、マッチポイントを獲ってから歯車が狂い、観客の声援には耳をふさぎ、ラケットをたたきつけて激高。勝てるチャンスを逃してしまいます。ところが、トイレ休憩後は、まるで別人に。落ち着いた表情で淡々とポイントを重ね、ついに優勝を手にします。

いったい、トイレで何があったのでしょう。大坂選手が口にしたのは「インナーピース」。「それに達すると何にも気にならなくなり集中できる」と言います。

人間は、1日6万回思考し、そのうち80%がネガティブなものだと言われます。思考は言葉であり、内なる声。なんと1日4万5千回も、自分に対して「イヤだ」「ムリだ」といった声がけをしているというのです。

もちろん、ネガティブ思考は生きるためには必要です。「こわい」と思えるから、危険を回避できます。しかし、内なるネガティブの声が大きくなりすぎると、カラダのバランスも崩れ、本来の能力が発揮できなくなったりします。

あの極限状態で大坂選手が示した「インナーピース」。どれだけ、苛立ちの嵐が渦巻いているとしても、台風の目のように存在する安らぎの声に耳を澄ます。

澄んだ耳であるために、姿勢を整え、呼吸を深め、内なる声を書で表現する。それぞれの「インナーピース」を引き出しあう稽古、この道場で続けていきたいと思います。

書法家・武田双鳳

書法家・武田双鳳は、書を通じて、それぞれの人生を豊かにデザインする活動をしています。

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