2020.09.08 08:07韻書の美しさの起点は「腰の入った線」です。そこから生まれる深度・速度・角度の筆蝕三重奏が、豊かな書表現を生み出していきます。だからこそ、書法道場の稽古では、飛んだり跳ねたり、時には、ひっくり返ったりしながら、「腰の入った」カラダの心地よさを味わう時間を設けています。とはいえ、筋トレ...
2019.12.01 09:09極あな番、タピる、サブスク…みなさん、ご存知ですか?今年の「流行語大賞」の候補をみると、自分が、いかに流行に乗り遅れているか、知らしめさせられます。リサ、ヒゲダン、キングヌー…NHK紅白歌合戦も、ますます知らない歌手が増えていきます。いまの僕らは、インターネットで情報が瞬時に公開さ...
2019.10.01 03:18曼殊沙華艶やかなヒガンバナが、あぜ道を彩る季節になりました。アルカロイドという毒を持つからか、死人花、地獄花、幽霊花、捨子花…といった異名が多く、「摘んだら火事になる」とも言われ、近づきがたい花のひとつでした。しかし、「ヒガンバナは無意味に咲く」と知り、その印象は一変しました。ヒガンバナ...
2019.09.02 01:00不器用ハサミで真っ直ぐ切れやしないし、お箸もまともに持てやしない。裁縫なんてもってのほか。「あんたは不器用だから」と親にも諦められる。器用な人はスグにできるのに、何度やっても上手くいかない。歯がゆい。悔しい。悲しい。比べられたくないのに比べられ、自分だけができもしない。 でも、スグにで...
2019.08.01 01:15坐るという運動書の世界では、以下の3つが大切だと言われます。①結構法(字形のとり方)②筆法(筆の使い方)③章法(字の配り方)そのため、一般的な書道のお稽古では、基本線や臨書などを通じて、①~③の反復練習を行います。ところが、今の私たちが、書道の練習を①~③に限ってしまうと、 「みせかけ」にしか...
2019.06.01 02:55感動書道感じようとしなくても感じる。動こうとしなくても動く。感じて、動いて、命の歓びを味わえる―。屁理屈ばかりでアタマでっかちの仕事をしていたらかでしょうか。そんな感動の場に強く憧れ、開いてみようと思い立った書道教室。生徒の皆さんに、スクスク育んでもらい、おかげさまで、開講10周年。全国...
2019.05.06 01:30美しい調和 ~beautiful harmony 令和「令和」の稽古が始まります。これから長く付き合う新元号。ぜひ、心地よく書けるようになりたいものです。ただ、急がば回れ。「令」「和」という文字(字源など)について、少し学んでみましょう。(白川静説をベースに)「令」は、神のお告げを受けた人の象形で「いいつけ」の意味。「命」と同じ意味...
2019.03.02 02:52研鑽 がんばって木を切り倒せば切り倒すほど、木が切れなくなっていく木こり。そんな、斧を研ぎ忘れる愚かさを戒める寓話を知っていても、つい、目の前のことばかりにとらわれてしまう。がむしゃらに夢中になるのは素晴らしいことだけど、がむしゃらに夢中ならせてくれる様々な支えを忘れてしまう。斧が切れ...
2019.01.31 08:49平常心アジア勢初の世界ランキング1位。大坂なおみ選手、本当に素晴しい活躍です。全豪オープン決勝では、マッチポイントを獲ってから歯車が狂い、観客の声援には耳をふさぎ、ラケットをたたきつけて激高。勝てるチャンスを逃してしまいます。ところが、トイレ休憩後は、まるで別人に。落ち着いた表情で淡々...
2018.12.01 03:00たたずまう ~12月の稽古テーマ疲れが、抜けきれない…。虚しさが、拭えない…。そんな毎日で、いいのだろうか。できれば、疲れや虚しさから自由になりたい。できれば、子供の頃のような、ワクワクした日々を過ごしたい。大人になったら、それはムリ…と諦めかけたこともあるけれど、大人になっても、いや、大人になったからこそ、新...
2018.11.01 01:00ちで書く「『ち』で書く」―。書の師匠である母・武田双葉から、そう教わったことがあります。そう聞いて、「やはり、書は血。血統なのか。生まれ持っての才能次第なのか…」と思い、自分の不器用さ、才能のなさを恨めしくも思いました。 ただ、「ち」=「血統」と決めつけるには不自然な出来事が、この道場で...