空中揺筆

「書」は、
堅苦しく捉えられがちですが、
誰でも楽しめるものです。


気軽に、たのしむ方法としておススメは、
「指なぞり」(もちろん、筆なぞり=「臨書」もおススメ)。

グッと穂先を差し込んでいる、フワッと筆毛を閉じている…といったように、
書を指でなぞりながら、一つ一つの字画が生まれたプロセスを
丁寧に味わってはみませんか。

書く過程を味わうことで、
筆のタッチの心地よさ、字のフォルムの爽快さ…といった、
新たな表現世界が、見えるようになっていきます。

ともすれば、上手い下手だけの単調な世界が、
「指なぞり」を通じて、彩り豊かな世界に変っていくのです。
できれば、目に見える字画(実画)だけでなく、

目に見えない字画(虚画)も、
想像をしながら「指なぞり」してみましょう。

字画の繋がり(脈絡)や、余白を充たすエネルギーなどをも、
指先から、実際に「ある」ものとして、感じるはずです。

虚画が実画を生み出し、実画を支えています。

落筆前における筆の旋回運動(空中揺筆)の時点で、
運筆のリズムや勢いが生まれ、書の世界が始まっているのです。

「書はドラマ」といわれます。

字画(書きぶり)を味わうことで、その人生(生きぶり)を追体験できます。

よろしれば、「指なぞり」を通じて、
1000年の時空をも超える「書のドラマ」、楽しんでみませんか?

書法道場師範 武田双鳳

書法家・武田双鳳

書を通じて人生を豊かにする場所をつくっています。

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